報告担当   握菱テッサイ















最近は陽が落ちるのも早くなり、空気は澄み

辺りの景色も少しづつ、秋めいて参りました。




先日の事ですが








私が庭で掃除の手を休め、空を眺めておりますと、店長がお声を掛けてきました。



「どうしましたぁ?テッサイ。空なんか見上げて」


「はぁ、今宵の月はさぞ美しいだろう。 そう思いまして」


「うん?」


私の言葉に誘われるように 店長も空を見上げておりました。



「秋だねぇ」

「秋ですなぁ」

暫くそうやって空を眺め


「月夜の晩は、店長と二人でよく杯を交わしましたなぁ」


ぽつりと私が呟くと



「今晩、やりましょうか」



「しかし、殿が待っておられるのでは」


も呼んじゃえばいいんスよ」



名案を思いついたかのように、嬉しそうに電話をする店長を見ていると

私も店長のお好きな酒の肴をと、気持ちは既に夜に向いておりました。
















夜になり殿がやって来られると、皆で食事を取り

子供達はそのままに、大人だけで縁側に移動し

美しい月を眺めながら たった三人の宴会は始まりました。


男二人も良いですが、やはり女性が加わると

なんとも柔らかな空気が漂い、それはそれは楽しい時間で御座いました。



珍しく店長は酔っていらして、しきりに殿にちょっかいをかけ

それもまた微笑ましく思えたものです。













そして私が空になったお銚子を片付けて戻った時。








「おや、店長。寝てしまわれましたか・・・」



「えぇ、喜助さん、最近また難しい本を読んでいるんですよ」


「さようで御座いますか」


「この人、のめり込む性質でしょう?」




そう言いながら 店長の髪を優しく撫でる殿。

意識があるのか無いのか、店長は殿のお手を取ると

ご自分の胸にあて、すぅすぅと寝息を立てておりました。







殿の膝の上で眠る店長の健やかな寝顔と


その寝顔を愛しげに見つめる殿の顔。


私はその温かい空気に包まれて、とても安らかな気持ちになりました。









目の前のお二人の美しい光景に見惚れつつ


酒をチビリと喉に流し味わう


何とも贅沢な気分でした。










膝枕とは、母の温かさを思い出すのでしょうか。


あの店長まで、こんなにも大人しく無防備な顔をして。














むぅぅ・・・





これは是非とも、ジン太殿に試してみなければ・・・




そう思っているのですが






















つづく・・・



(テッサイの膝枕・・硬そう)