キスをしようよ
ぽかぽかと暖かい日溜まりの中
そろそろ顔を出そうと準備している、桜の花の木の下に
私達はいた。
今日は春休みに入ってから、初めてのデートの日。
付き合い出して1年
デートしようと決めたものの
ここら辺のデートスポットには、殆ど行きつくした感じで
昨日電話で悩んだ結果、いつもの学校の傍の公園にしたんだ。
「ん〜いい気持ちだにゃ〜」
大きく伸びをして、ほんとに気持ちの良さそうな英二。
「ん〜ほんと〜気持ちいい〜」
私も負けじと大きな伸びをして
二人して目を合わせて微笑んだ。
数日前、卒業式をして、私達はめでたく4月からは高校生。
色んなことがあった中学時代。
楽しいこと、辛かったこと、そして恋をしたこと。
そんな3年間の間に、英二と一緒に過ごせたこと。
本当に良かったと思ってる。
どんな時でも、英二が傍にいてくれたから
私はいつでも笑顔を取り戻せたんだ。
「ねぇ英二。高校生になったらさぁ・・・・」
「ん〜? 」
「また同じクラスになれたらいいね」
「ん〜、そうだにゃ〜」
「まぁ、別のクラスになったとしても、いつでも会えるよね」
「う〜ん。やっぱ同じクラスがいい。だって、のこと見張ってなきゃなんないし」
「何それ〜?信用ないなぁ」
「じゃなくって、に悪い虫がつかないように、ね」
「って、もうついてるんじゃないの?」
「っう〜 それって俺のこと?ひどいにゃ〜」
あはは・・・
ぽかぽかと私達を照らす、お日様も笑ってる。
いいね、こういう空気
大好きな英二と二人でさ
ゆらゆらと風に揺れてる草や花
私たち二人は、今 この景色の中に溶け込んでるよ。
しばらくどうってことない会話を楽しんで
いつのまにか 二人して寝転がって空を見てた。
沈黙も気にならないほどの空気
目を瞑ると眩しい光が瞼をすり抜けて
キラキラと漂ってる。
「・・・・ね、英二?」
あ・れ・・・寝てる?
スヤスヤと寝息まで立てて 私の隣で
いきなり寝るなんて、子供みたい・・・
長い睫毛に通った鼻筋、少し日に焼けた肌はぴかぴかで
わぁ、、可愛い寝顔
負けちゃいそ・・・って小さく微笑む。
緑が眩しいこの場所で
隣には英二がいて
やわらかい風が吹いている。
そして、私は嬉しくなるんだ。
ねぇ、キスをしようよ
触れるだけのキスがいいな
この空気が壊れてしまわないぐらいの
軽いキスがいいな
英二が起きたら、 そう言おう。
今はもうちょっと、英二の寝顔を見ていたいから
願うのはただ、輝く未来と
迷いのない真っ直ぐな道。
私の前に差し出される その手は
いつでもあなたの手のひらで
私は笑顔で、その手を握り返すの。
持て余すぐらいのこの感情は
溢れてこぼれて 流れてる。
このまま風に乗って
春風と一緒に 空に舞い上がれ
高く高く 未来へと