目が覚めると 視界に入ってきたのは  高い天井と白い壁。

何故私は、こんな所で寝ているんだろう。

起き上がろうとすると、全身に激痛が走り

つい先程の記憶を呼び起こす。



そうだ、、私はあのまま・・・


体に巻かれた包帯と薬品の匂い

私はどうやら四番隊の救護詰所にいるようだ。






殺風景な部屋と


机の上の一輪の水仙


そして、この気配







「おぅ、やっと気がついたか」


私は この現実に目を背けたかった。


いつもは一番会いたくて

今は一番会いたくない人


情けない・・・・あんな虚の一体ぐらい、こんな大怪我を負うなんて。



「一角・・・皆は?無事なの?」


「あぁ、お前以外は無事だ。庇ったんだろ? また」


「・・・・・・」



「馬鹿じゃねーの、お前。結構強かったじゃねーか、今日の虚はよぉ」



「・・・・・一角が?」


「あぁ、俺にとっちゃ、軽いもんよ」



この人に助けてもらうのはもう、何回目だろう。






「だいたいお前みたいに弱っちいのが、何で十一番隊なんて志願したんだ?
卯の花隊長に推薦されてたって噂、知ってるぜ」



「あはは・・そう言われると。もっと修行します、はい」



確かに私は真央霊術院にいた頃から、その能力は評価されていた。

四番隊から声が掛かっていたのも本当の話、だけど

あの頃から 私はこの人を追いかけていた。




実習に携わる死神の先輩の中には、嫌な人も結構いて

私達は勝手に、先輩達のランキングなんかを付けていたものだ。


その中でも彼は特に人気があった。


三席という地位にいながら、いつも楽しく温かかった。


この人の下で働くのはきっと楽しいだろう。


この人と一緒なら、どんな事でも頑張れるだろう。









思っていた通り、貴方は

まだ新米の私にも、いつも気さくに話しかけてくれるし

”斑目三席って 何か舌噛みそうだろ。一角でいいぜ”

なんて

私と貴方の距離が、日に日に近くなっていくのが嬉しかった。


ま、口は悪いけど・・・











私は、怪我をした貴方の治癒をするより

貴方と共に戦い、血を流すことを選んだ。












「もしかして俺がいるからか?なんちゃって〜」




「そうだって言ったら?」



その一言で立場は逆転する。


「なっ・・」


見つめると視線を外す


焦る貴方に、私は初めての勝利を感じた。




「いやいや、聞かなかった事にしてやるから、もう寝ろ」


「うん。でも一つだけ聞いて良い?」


「なんだ?」


「どうして此処に?」



「ざ、罪悪感。うん、罪悪感だな。その、、俺がもっと早く来てやれれば、
こんなこと・・・に怪我なんて、させちまって」


こっちを見ずに でも、ハッキリと呟く。



「仲間なんだからよ」



貴方からの甘い言葉なんて、最初から期待してない。


だけど、込み上げる温かいものは私を包み込む。




「私。もっと強くなりたい」


振り返った貴方は 優しく


「いや、いいさ。そのままで・・・

今度は俺が、ぜってー守ってやるからよ」


「え、、、?一角・・・」


じゃあな、早く寝ろよ。と捨て台詞を吐いたかと思うと


バタンと勢いよく閉まるドア。


言い逃げかぁ・・・・








「あ〜俺って優しいなぁ。男前だよなぁ。惚れるなよ?」


ドア越しに聞こえる貴方の声に噴出した。





やっぱり私の選択は間違っていなかった。


貴方と共に、この十一番隊で、泣いて、笑って、戦って


どんなことでもいつも傍で 感じていたい。




今度はもう少し、押してみようかな・・・・・


目を閉じれば 浮かぶのは貴方の顔。





そして、思わず笑みがこぼれ







机の上の一輪の水仙が 優しく揺れた。











守るから


















お友達の美微さんへ捧げます。
お粗末ですみません・・・(平謝り)
偽一角でしょうが、一角だと信じてやって下さい。「想う力は鉄より強い」(なんちって)