報告担当      黒崎一護














そういやこの間、俺はとんでもない目に遭ったんだ。


学校帰りに、ちょうど浦原商店の前を通った時だった。

なにやら大切な物らしい、怪しい薬のビンをテッサイさんから預かった。

なんで俺が・・・とは思ったけど

見るとあのチビ達も留守のようだし、店を空けるわけにもいかないんだろ。

困った顔をしているテッサイさんを見て

たぶんまた、下駄帽子に我儘言われたんだな

と、俺は気の毒になって、その用事を了解したんだ。


それに、あんな丁寧な頼まれ方をしたんじゃ、断るのは俺には無理だ。





簡単な地図が書いてあるメモを片手に

俺はその男の新居とやらを目指して歩いていた。





あんなとこ、通るんじゃ無かったな、と後悔しつつ・・・

















古い家には似合わない、真新しい表札を横目に見ながら

俺はチャイムを鳴らした。

「はぁい」と声がして現れたのは さんだった。


さんとは面識がある。


前に下駄帽子から紹介されたとき

あぁ、こんな綺麗な人が、あんな奴に騙されちまって、と気の毒に思ったもんだ。

だけど、少しづつ彼女を知るごとに、そんな気持ちは消えていた。



そして俺は、年上なのになんか可愛い、この人が苦手だったりする。


それはたぶん、アイツと同じ匂いがするからだろう。









「黒崎くんっ、いらっしゃ〜い。ささ、上がって」

「いや、俺は届け物を持ってきただけだから」


「え?何かしら? さぁどうぞ〜」


ほら、人の話を聞かずにどんどん進めちゃうあたり

アイツにそっくりだ。



そういう俺もちゃっかり上がって、座布団の上に座り

出された冷たい麦茶なんて、飲んでいたんだけど。









「あ、そうこれ。テッサイさんから」

そう言って その薬らしきビンをさんに渡すと


「・・・・これ・・」

途端に紅くなった頬を、両手で隠すさん。




何だ何だ!!? 何で赤くなってんだ?



俺は滅茶苦茶気になりだして、聞いたんだ。



「それ・・・何なんだ?」



「いいえ、あの〜でも、どうしてテッサイさんが・・」


「何か知らねーけど、店長に頼まれた、とか言ってたぜ」










「・・・喜助さんったら」








何もじもじしてんだよ・・・さん。



ほら、 だから気になるっての・・・





怪しげなビンを、掌の中で転がしながらも大事そうに

しかも恥ずかしそうにしている、さんを見ていると










ふと、 アイツのニヤニヤした顔が浮かんできた。








そして俺は何だか、とてつもなく嫌な予感がしたんだ。








「あ、もう用事済んだから、俺帰るわ」


「そんな、もうすぐ喜助さん帰ってきますけど?」



「いや、会わない方がいい、つーか会いたくねーから」


すっくと立ち上がると急いで靴を履いた。



「あら、残念ねぇ。ありがとう黒崎くん」


後から降りかかる声に 手を振るだけで合図して








俺はこのミラクルワールドから飛び出した。






おいおい、健全な男子高校生に変な想像させんな。



だからこいつらは苦手なんだ。



















だけど・・・あの薬、いったい何だったんだ?


未だに気になってしようがない


そんな出来事だった。
























つづく・・・





(ご想像にお任せします。なんか変な方向に行きつつあるなぁ;)