本日の担当      喜助



















先週のことですが、アタシが初めて留守番をした時の話です。


は友達と出掛けたいらしく、その予定がちょうど日曜だと言う事で

どうやらアタシを一人にする事に、気を遣っていたようです。

まぁ、にも大切にしたい友達がいて当然。

いつもを独り占めするつもりも無いっすから?

「いいよ。行っておいで」

そう言いましたとも・・・・・

















その日の朝は、いつものようにアタシは寝坊して

起きた時には既にの姿は無く。

きっとのことだからアタシを起こすことを躊躇ったんでしょうが

居間のテーブルの上には置手紙。



”おはよう、喜助さん。今日はごめんなさい。
ご飯は炊飯器の中、おかずはテーブルの上に置いておきますから温めて下さい。
2時までには帰ってきます。 





時計を見ると9時・・・・ えらく早く出たもんだ。

そんな事を思いながら欠伸を一つ、だらりと服を着替え

呑気に食事を摂り 煙草に火を付けゆっくりと煙を吐き出して 


なんとなく時計をチラリ。

10時か・・・・ まだ4時間もある。





さて、じゃあ何をしようかと、辺りを見回すと

ふと、がアイロンが壊れたと言っていたのを思い出しましてね。

アタシはいそいそとアイロンの修理を始めたんです。

ついでにちょいと細工をして、使い勝手のいいように



しかし、そんなものあっという間に終わってしまい



からの絶賛の言葉も 勿論オアズケ。








つまらない









後は特にする事も思いつかず

読みかけの書物を出してきて、本でも読むことにしたんすよ。

ごろんと横になり、肩肘で枕を作って、暫くそうしてました。

するとなんだか喉が渇いてきて、よいしょと腰を上げ のそのそと台所へ

目に入ったサイフォンに手を伸ばしさて、珈琲でも入れようとやってみたんですが




これが不味い




どうものようには上手く煎れられなくて、ガッカリしました。

たいして広くない家の中が やけに広々と感じ

諦めて煎れたお茶から立ち上る湯気をじっと見つめて



ん〜 暇っすねぇ



まだ時計の針は12時 あと2時間もある。

時間が経つのが、やけに遅く感じましたねぇ。

















そんな時、ピンポーンと呼び鈴が鳴り

玄関に行くと、見覚えのある老婦人が笑顔で立ってました。

あぁ、確か近所に住んでいる・・・と思い挨拶をすると


「あら、ご主人。奥様はお留守なんですか?」


「はぁ、家内は出掛けてますけど」


「そうでしたか・・・お一人で寂しいですわねぇ」


ご婦人は脇に抱えていた風呂敷包みを、遠慮がちにアタシに手渡すと

ほんのお礼の気持ちです、と言うんです。


聞けば婦人が腰を悪くした時に、

何かと不便だろうと、数日間お惣菜を持って行っていたらしく

それがとても助かったと・・・


そんな話は初耳だった。


ときたら近所の野良猫や、テレビで観たと言うくだらない話まで聞かせるというのに。


そのご婦人は


「奥様の手料理、とても美味しく頂きましたよ。ご主人も幸せですねぇ」と

「お優しくて、料理上手、そしてあんなに可愛らしい奥様で・・・」と


アタシは思わず


「あぁ、は料理が趣味みたいなものでしてね・・」


そういえば以前に・・・



「まぁ、そうなんですか」



あ、そうそうは・・・



「あらまぁ、仲の良ろしいこと」



気が付けば 玄関で数十分も立ち話っすよ。



「本当に羨ましいぐらい幸せですのね、奥様に宜しく」

と、 ご婦人はえらく上機嫌で帰って行きました。




まるで惚気話を聞かせたようで(いや、実際そうだ)

暇って怖いッスねぇ

だけど 婦人の話を聞いてから 時計を見る回数が一段と増えたのには参りました。








まだか





まだかと



部屋中をうろうろと落ち着かず









う〜ん ・・・?




2時は過ぎてますよね





まぁ、3分ほどですケド・・




















「喜助さ〜ん ただいま〜」

間もなく、ガラガラッとドアの開く音がしたかと思うと

は帰ってくるなり 廊下の上を軽快な音とともに

アタシの元へと走って来ました。

アタシは勿論 をぎゅっと抱きしめて

「お帰り、。楽しめましたか?」


「うん。ごめんなさい、退屈だったでしょう?」





「いやいや、もっとゆっくりとしてくれば良かったのに」



なんて・・・
















するとは少し照れたように


「あのね、買い物していても、喜助さんのことばかり・・考えちゃうんです」


「・・・・・」


自分の顔が、かなりだらしない状態になっているのは わかってました。


アタシはそれを誤魔化すように

の顔を両手でそっと包むと、 唇を顔中に這わせました。



「ぁ・・・喜助さん」



恥ずかしそうに見上げる

アタシは食べてしまいそうな勢いで、何度も何度も口付けて








そして

畳の上にそのまま押し倒したりして・・・・



「留守番してた ご褒美クダサイ」







まぁ そんな理由をつけて



























つづく・・・



(喜助、寂しがるの巻。さんあっての旦那です)