本日の担当    















うちの旦那さん、そう喜助さんは只者じゃない。

私はよくそう思うんです。


だって、子供みたいに可愛い事をするかと思うと

本当は、私なんて手の届かないほどの大人だったり。


そして彼はたまに 小さな驚きをくれ、私はいつも参ってしまうんです。










昨日の夜のことですけど







ご飯もお風呂もすませて、テレビでも付けようか、そう思っていた時。


「ねぇ? ちょっと出ましょうか」

外を眺めていた喜助さんが ふと振り返って私に言いました。


「え?もう真っ暗ですよ」

「夜のお散歩ッスよ」


にこりと笑う 喜助さんにはかないません。


私はそのままの格好で、サンダルを引っ掛けて

喜助さんの腕に 掴まりました。













外に出てみると、明日は晴れるだろう、そんな夜空で

しんとした空気が気持ち良く、二人歩きながら見上げる空には

ほんの少し星が瞬いていました。



そのとき、ふと喜助さんが


「夜は、やっぱり落ち着きますねぇ」


なんて、心の底から呟くように言うもんだから

私はなんだか可笑しくなって、くすっと笑いました。




は、そう思いませんか?」


「う〜ん、そうですねぇ、でも夜って真っ暗でしょう。
私は空に蓋をされたように、感じますけど?」


そう言うと


「なるほど」


喜助さんは感心したように頷きます。


そして


「でもほら、昼間は太陽が邪魔して 宇宙が見えないでしょ」


なんて、妙なことを言い出しました。


「宇宙?」


「うん、だから狭い地球に閉じ込められている気がする。
夜の方が 開放感を感じませんか」








私の心臓は瞬間 ぴょこんと跳ねました。






地球も星の一つなんだから、他の星が見えないなんて

それこそ蓋をされているのは、昼間の方なのかも知れません。


私は何だか嬉しくなって 繋いでいた手をぶんぶんと振りました。





「何を喜んでいるんです?



「喜助さんのこと、やっぱり好きだと思って」



「おやおや。夜は心まで素直にさせるんっすね」


喜助さんは嬉しそうに 目を細めて私を見ていました。





だって、アナタの呟いた言葉に、私は凄く得をした気分になったんですもの。

それは何だか、良い絵本を読んだ後の気持ちに似ていました。




そしてやっぱり、 喜助さんは素敵だな

そう思うと嬉しくなり


胸の奥がほっかりと温かくなったんです。










なんだか、ただの惚気話になってしまいましたけど

そんな夜のお話でした。
























つづく・・・






(愛は盲目!)