胸の内 (一角ver)














「いいか?男はなぁ。常に女の三歩前を歩くもんだぜ」


少し大きめの声で、ガツンと言ってやった。目の前の赤い髪の後輩に


俺は稽古の後にはよくこうして 気に入った奴と馴染みの居酒屋に来る

まぁだいたいの流れとしては、戦術の話から 女の話へと移っていくのが常で

どうやらコイツにも、最近女ってのが出来たらしく、最近の話題は専らソレだ







俺とはもう長く付き合っているし、自他共に認めるおしどり夫婦のようなもの

たぶん阿散井は、女の扱い方ってのを 俺に伝授して欲しいのかも知れねぇ


可愛い後輩の為だ、男ってのを少し教えてやるのも良いだろうと



「どんな我儘言ったってなぁ、こう、ガツーンと・・」

「やー 我儘は言われたこと無いっす・・」

「そ、そっか?」  
「はい、たぶん」



「女ってのは意地っ張りだからな、例え素直じゃ無かったとしてもだ・・」

「いやー それが吃驚するほど素直なんすよ」



ん?・・・さっきから調子狂ってるような気がするのは 俺の気のせいか?







まぁいい






俺も少しは知ってるが、阿散井の女ってのは確か―

大人しくて人形みたいな・・?・・あぁ、可愛いってああいうタイプを言うんだよな

俺が以前、後から声をかけただけで、ビクンと固まってしまったような女だっけ?

俺だったらぜってー 泣かしちまうな、あぁそうに決まってる




つーか、何で阿散井のヤツ






まぁいいか



人にはそれぞれ趣味ってもんがある





しっかしこれだけ女のタイプが逆だと、俺のアドバイスなんて役に立つのか?















じっと見ていたのが気になったのか いきなり阿散井は

話題を変えてきた





さんって、カッコイイっすよね」

「おぅよ」

 ん?コイツ わかってんじゃねぇの



「喧嘩、なんてするんすか?」

「まぁな」 

 喧嘩しねぇカップルなんていんのかよ?



「一角さんとさんの喧嘩・・・・凄そうっすね・・・」

 そうきたか






「まぁ確かに血を見ることもあるけどよ、それだけじゃねぇぞ?」


そこで俺はにやりと口だけで笑うと 阿散井の肩を思い切り引き寄せ

耳を引っ張ってこそこそ


「なんたって、その気も腕も強い女がよぉ、自分の前では身も心も女になる・・・

たまんねぇじゃねぇか」と


アイツは途端に にやりと笑って

「夜は、って意味っすよね?」

「当ったりめぇよ」

「たまんないっすね」

二人して肩をバンバンど突き合い 大声で笑った

やっぱりコイツとは気が合うぜ






それから俺の話しに納得したのか


「一角さん、やっぱ女は三歩下がって、っすよね」

なんて言いやがる。


その意気だぜ 阿散井





























「あら〜、一角。今日も飲んでたんだ」

後から凛とした声がして 振り向くと 俺のが立っていた

その後には 阿散井の女を連れて



チラと視線をやると 案の定 鼻の下を伸ばした阿散井が 

「よぉ」なんて手を上げて 女は顔が真っ赤っか




「なんだ、お前らも酒かよ」

「えぇ、ちょうど良かったわ。隣いい?」


俺らはそれぞれの女を横に、向かい合わせに座って飲み出した








観察していると まぁ確かに初々しいっちゃ初々しいよな

さりげなく酌をしたり、つまみを足したり?


隣で酒ガンガンくらってるとは・・・・


「何?一角、あたしに見惚れてんの?」


「バーカ 」



いや、この漆黒の長髪に キリッとした口元

やっぱりいい女だぜ 間違いねぇ




アイツらばっかり見ているのが気になったのかのヤツは

「ねぇねぇ一角〜」

 急に甘えてきやがった

「ん?」

「今日は勿論 一角の奢りよねぇ〜」

 その目、色っぽいぜ


「は?何でそうなんだ。お前が一番飲んでるじゃねぇか」



「だって、可愛い後輩が二人もいるのよ?まさかこの場で割り勘なんてねぇ」

 頼りたいってか? 可愛いもんだぜ



「あー まぁそうだな。おうよ、任しとけ」

そして一際大きな声で言った




「よぉし! みんな飲め飲め! 俺の奢りだからよぅ」


「いぇーい、一角男前〜!」

どうよ、これが男ってもんだぜ?











それに引き換えアイツときたら・・・


さっきからの会話聞いてっと



「恋次、飲みすぎないでね。体が心配だもん」

「おぅ、わかってるって」





素直なのはてめぇの方じゃねぇか




「お酒弱いの、私・・明日、ちゃんと起きられるかしら・・」

「俺が迎えに行ってやるよ、任せとけって」

「え〜でも凄く遠いし、うち・・・」

「平気だって、全然平気」





って、なんとなく我儘言われてんぞ?













「一角さん、やっぱ女は三歩下がって、っすよね」って









フッ・・・・ 阿散井、おまえ










そして俺は至極 爽快な気分になった



どう見たって俺の方が男らしいぜ






まぁ それは言えねぇけどよ
















「まぁ飲めや、阿散井」

「ご馳走になりますっ」


阿散井、 まぁ色々あるけど頑張れや 

胸の内でそう呟き 酌をした























END

 同軸で恋次ve有り GO



男らしさと可愛さと・・・ 愛すべきお二人さんv